2020年10月1日からオーストラリア知的財産庁の料金が変更に

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オーストラリア知的財産庁は、2020年10月1日をもってその料金体系を変更することを発表しました。

今回の変更は、費用の一部を知的財産権のライフサイクルの更新段階へ先送りすることで、大部分の費用が発生する初期期間の料金を低く抑えることが狙いです。この初期期間は、出願人がまだ知的財産からの権利収入の流れを確立していない時期とも重なります。

以下に、特許、商標および意匠に関連する庁費用の主な変更点をまとめます。出願人と権利所有者には、できれば2020年10月1日にこれらの変更が施行される前に、対応を取ることが推奨されます。



特許

超過クレーム料金

超過クレーム料金に関連する新しい料金体系が実施されます。

古い料金体系では、許可時または許可後に、20を超えるそれぞれのクレームに対し超過クレーム料金が必要とされていました。

新しい料金体系では、超過クレーム料金のしきい値となるクレーム数は20のまま変わりませんが、20を超える最初の10クレームの超過クレーム料金が、1クレームあたり$125となります。31クレーム以降、1クレームあたりの超過クレーム料金は$250に値上がりします。とりわけ、許可後の補正の結果としてクレーム数が20を超えた場合、1クレームあたり$250の料金が発生します。

1クレームあたりの超過クレーム料金古い料金体系新しい料金体系
許可時のクレームの数が20超30以下の場合$110$125
許可時のクレームの数が30超の場合$110$250


更新料金

更新料金が大幅に変更されるため、支払いの計画を立てる際に考慮する必要があります。

5年ごとに段階的に値上がりする一律料金であった古い料金体系と比較して、新しい料金体系では年金の料金が毎年値上がりします。

特に、特許権の存続期間が標準の20年間を超えて延長される医薬品特許では、24年目の年金が$8,000に達します。こうした特許の所有者は、延長期間内の残りの更新料金を一括で支払うことで、費用を節約できます。

特許更新料金古い料金体系新しい料金体系
標準特許 – 5年目$300$315
標準特許 – 6年目$300$335
標準特許 – 7年目$300$360
標準特許 – 8年目$300$390
標準特許 – 9年目$300$425
標準特許 – 10年目$550$490
標準特許 – 11年目$550$585
標準特許 – 12年目$550$710
標準特許 – 13年目$550$865
標準特許 – 14年目$550$1,050
標準特許 – 15年目$1,250$1,280
標準特許 – 16年目$1,250$1,555
標準特許 – 17年目$1,250$1,875
標準特許 – 18年目$1,250$2,240
標準特許 – 19年目$1,250$2,650
医薬品特許 – 20年目$2,550$4,000
医薬品特許 – 21年目$2,550$5,000
医薬品特許 – 22年目$2,550$6,000
医薬品特許 – 23年目$2,550$7,000
医薬品特許 – 24年目$2,550$8,000


商標

出願料

商標出願料は、指定商品・役務表示をリストから選択していない通常商標出願では区分ごとに$400、指定商品・役務表示をリストから選択していない連続商標出願では区分ごとに$550となり、わずかに値上がりします。



意匠

出願料

複数の意匠を含む出願では、第一の意匠以外の追加意匠ごとに、$200の追加料金が発生します。複数の意匠の一括出願に関する詳細については、こちらをクリックして前回の記事をお読みください(オーストラリア意匠チェックリスト)。

更新料金

意匠の更新料金は$320から$400に値上がりします。

こちらをクリックして、IPオーストラリアの公式手数料変更の全一覧をご参照ください。



これらの料金変更に関してご質問等がありましたら、当所の弁理士までお問い合わせください。

この記事は最初に2020年8月27日に英語で公開されました


弊所では一般的なお問い合わせや見積もりの際にご利用いただける日本語担当窓口を用意致しております。

日本語のお問い合わせを直接 JapaneseDesk@spruson.com 宛にお送りください。技術系のバックグラウンドを持つ日本語窓口担当者が迅速にお返事致します。

出願のご指示等につきましては、通常のメールアドレスに英語でお送りいただけると幸いです。

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