インドネシア特許法および商標法の重要な変更点

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インドネシアは、2020年11月2日付で、一般的にオムニバス法として知られる2020年法律第11号を制定しました。オムニバス法には、特許法や商標法を含む、複数の法律に対する改訂が含まれます。

インドネシア特許法の重要な変更点は以下の通りです。

簡易特許(Simple patent」 - 他の管轄区域では一般的に実用新案、小特許、イノベーション特許として知られています。簡易特許を明示的に定義するように法律が修正されました。これまでは、産業上利用可能な既存の製品・プロセスのあらゆる新しい発明または開発に対して、簡易特許を付与することができました。ここに、既存の製品・プロセスの開発には「簡易製品、簡易プロセス、または簡易手法」が含まれる、というさらなる定義が加わりました。現時点では、この新定義が簡易特許の審査にどのような実質的な影響を与えるのかは不明です。新定義は、簡易特許の付与が以前と比較して容易になったことを示唆するように思えます。

実施義務(Working requirement」 - 当初は実施義務の規定を削除する計画があり、多くの特許実務者がこの変更を歓迎していました。しかし、土壇場になり、実施義務の規定はいくつかの変更を除き維持されることが決まりました。具体的には、使用、製造、輸入、または使用許諾が発明の実施とみなされることになります。これまでは、使用または製造のみが発明の実施とみなされていました。

さらに、特許権者は、実施義務を満たすことの延期を求める申請書を提出できます。承認されると、最大5年間の延期期間が付与されます。有効な理由を挙げることで、さらなる延期(すなわち最大5年間を超える)を求めることも可能です。延期申請は、特許の付与から3年以内に行う必要があります。なお、2019年12月9日以前に特許付与された特許権者に対しては、2022年12月8日まで延期申請を行うことができる移行規定が設けられています。

強制実施権(Compulsory licensing」 - 上記の実施義務規定への変更と併せて、特許付与後36か月以内に発明が実施されていない場合(すなわち特許権者が当該特許によってカバーされる製品・プロセスを使用、製造、輸入または使用許諾していない場合)、第三者が強制実施権を申請できます。過去においては、特許権者が特許付与後36か月以内に特許によってカバーされる製品を製造しなかった、またはプロセスを使用しなかった場合に、第三者が強制実施権を申請できました。つまり、製品を輸入する、または製品・プロセスの使用許諾を行うことで、強制実施権を回避できるようになったと言い換えることもできます。

商標法には2つの重要な変更点があります - (i)商標に機能的目的に関連する形状・形態が含まれる場合、その商標は登録できません。(ii)実体審査期間が150日から30日に大幅に短縮されます。これにより商標の取得手続きおよび付与が迅速化されるはずです。

この記事は最初に2020年11月12日に英語で公開されました


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