中国の新知的財産裁判所システムは北京で初の知的財産裁判所からスタート

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昨年、北京知的財産法院(裁判所)が業務を開始し、最初の裁判事件を受け入れたことにより、中国における知的財産権の行使は向上への道を一歩前進しました。北京知的財産裁判所がまず最初に第一審のための裁判所として設立され、広州と上海の知的財産裁判所がその後間もなく業務を開始しました。これらの特化した知的財産裁判所の実現は2014年10月の中国最高人民法院(裁判所)が発表した知的財産裁判所の裁判権の表明に基づいています。

経験豊かな裁判官や知的財産専門家のサポートを伴い、著名な法学者Su Chiが北京知的財産裁判所の裁判長として任命されました。発表された計画書によると、裁判官は必要に応じて技術調査官の補助を受けることができます。知的財産裁判所は発明、実用新案および意匠特許、植物品種保護権、集積回路の回路配置、技術の秘密に対する所有権、そしてコンピューター・ソフトウェアの著作権などの専門技術性の高い知的財産権に関する事件の第一審を担当します。専門技術性の高い知的財産権に対する第一審の裁判権は訴訟の提起につながる知的財産権の行使ルートとは独立しており、民事および行政事件の両方に適用されます。

裁判地に関しては、最初のうちは北京と上海の知的財産裁判所の管轄はそれらの自治体に限られますが、広州の知的財産裁判所の管轄は広東省全域に及びます。

なお、知的財産裁判所は専門技術性の高い事件に加えて、専門技術以外に関する事件も扱います。これには基層人民法院(裁判所)で審理された第一審の著作権、商標、技術契約および不正競争に関する民事および行政事件への上訴などが含まれます。さらに、知的財産裁判所は著作権、商標そして不正競争に関する行政行為(専門技術に関するものではない)への上訴や周知商標の認定などの民事案件も扱います。知的財産裁判所の第一審に対する上訴事件は現存する組織的システムに乗っ取り、北京、広州および上海の各高級人民法院(高等裁判所)にて扱われます。

この新知的財産裁判所システムにおける北京知的財産裁判所は他の知的財産裁判所とは違い、特別な位置付けにあります。以下の事件の審理に対する上訴は北京知的財産裁判所のみにて取り扱われます:

  • 中華人民共和国国家知識産権局(SIPO)の再審査委員会や商標を取り扱う国家工商行政管理総局の商標評審委員会(SAIC)などの国務院機関による特許、商標、植物品種保護および集積回路の回路配置に対する知的財産権の付与、有効性や権利範囲に関する行政処分
  • 国務院機関による特許、植物品種保護および集積回路の回路配置の強制実施許諾やそれに関連した紛争に関する行政処分
  • その他国務院機関による知的財産権の付与、有効性や権利範囲に関する行政行為

知的財産裁判所が速やかに技術的専門意見を取り入れることにより、中国での知的財産権の行使システムは向上し、知的財産環境は著しく改良されることでしょう。

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