オーストラリアの改正:翻訳文提出要件の変更点

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オーストラリアの特許法規に差し迫っている変更に従い、 英語で公開されていない国際(PCT)特許出願の翻訳証明付き翻訳文は今後、オーストラリアの国内段階への移行時に必要なくなります。

 2019年知的財産法律改正(PCT翻訳文およびその他の方策)法令によって2019年9月25日以降にもたらされる修正点は下記の通りです:

  • 英語に翻訳された文書を提出する際には常に翻訳証明書も提供しなければいけないという要件が廃止されます。解説によりますと、ほとんどの翻訳文は正確であるため、懸念を生じさせることはなく、翻訳証明書の提出を求める要件は、ほとんどの出願人にとって不要な負担となっていいます。改正により、この不要な負担を除外し、オーストラリア特許庁の実務をカナダ、英国およびアメリカ合衆国の特許庁を含むほとんどの主要英語特許庁ならびに欧州特許庁の実務とより揃えて行くこととなります。
  • PCT出願をオーストラリアの国内段階に移行するための翻訳要件が以下のとおりに明確になります。
    • 最初に英語以外の言語で出願されたか、またはPCTの規則91(自明な誤り)に基づいて訂正されたPCT出願の明細書の英語翻訳文の提出が求められます。これは、PCT出願をオーストラリアの国内段階に移行した後に明細書全体への補正の許可可能性、並びに第19/34条補正の翻訳文の優先日を判断するために用いられます。しかし、現行実務によれば、PCT出願が英語で出願されなかったのに国際事務局によって後に英語で公開された場合、国内段階移行の時点で英語翻訳文の提出は必要ありません。
    • 第19/34条補正の翻訳文を、国内段階移行申請と同時に提出し、第19/34条補正が自動的に明細書に組み込まれるよう選択できます。
    • 第19/34条補正が国内段階への移行の時点で提出されない場合、後に自発的な補正として再提出されない限り、明細書には組み込まれません。
    • 間違った明細書の翻訳文、明細書の部分的な欠落または不適切な用語の利用など、元のPCT出願の翻訳文における誤りの訂正が許可されます。PCT出願の明細書の翻訳文における誤りもしくは省略、または訂正翻訳文の提出は、国内段階への移行を無効にはせず、明細書の補正とは解釈されません。訂正された翻訳文は、最初に提出された翻訳文を置き換え、その提出日は最初に提出された翻訳文が提出された日と同じとみなされます。
  • 文書の翻訳文を提出する者に翻訳証明書を提出するように求める権限がオーストラリア特許庁に付与されます。解説によりますと、この権限は、翻訳文の正確性について特許庁が合理的な疑いを有する場合に援用されます。なお特許庁は、この新しい権限を日常的に行使する必要はないと予測されています。

これらの変更点は、2019年9月25日以降に国内段階に移行するPCT出願及びその日以降に提出されるその他の文書の翻訳文に適用されます。

翻訳証明書を提出する要件の廃止は、特許出願人および代理人の負担を軽減し;誤りの訂正に関する新しい規定は、出願人に有利となります。上記の改正は、第19/34条補正を提出する際にもまた、柔軟性を提供します。

オーストラリアでの特許保護について更に情報がご必要な場合は、弊所までお気兼ねなくお問い合わせください。

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