オーストラリア最新情報:化粧品業界における法的“大変身”

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化粧品業界では、「化粧直し」として、折に触れ自社の化粧品、石鹸、シャンプー、デオドラント、へアカラー及びその他の同様の製品に新成分を導入することがあります。新成分が「新しい工業化学物質」である限り、現行法ではそのような「新しい工業化学物質」を国家工業化学品届出審査機構(NICNAS: National Industrial Chemicals Notification and Assessment Scheme)へ届け出る必要があります。

工業化学品法案2017が少し前に可決されたことにより、2020年7月1日からオーストラリアでは化粧品における動物実験データの使用に関する規制が施行される予定です。NICNAS自体も、2020年7月1日からオーストラリア工業化学品導入機構(AICIS: Australian Industrial Chemicals Introduction Scheme)に置き換わります。

新制度によると、2020年7月1日以降に得られた動物実験データを新しい工業化学物質導入の申請に用いることが禁止されます。なお、この規制は、その工業化学物質が化粧品にだけ用いられる場合のみ適用となります。新しい工業化学物質が1つ以上の最終用途のために導入され、その最終用途のうち少なくとも1つが化粧品ではない場合は、規制の対象とはなりません。新制度の詳細は今後制定される規則の対象となります。

この新しい規定は、化粧品メーカー、およびオーストラリアに化粧品を輸入しようとする輸入業者が、まず最初にその化粧品に新しい工業化学物質が含まれているかどうかの査定を行う必要があることを意味します。新しい工業化学物質が含まれていて、かつその新しい工業化学物質を関係当局に申請する場合、サポートとなるデータに動物実験データを含めることはできません。化粧品に関しては世界的に動物実験データの使用から離れ、動物実験の代替として欧州連合参考検査所(European Union Reference Laboratory)が開発した試験方法のような、別の方法がより多く用いられるようになってきています。この新規定はその傾向を反映した結果と言えます。

上記についてご不明な点がありましたら、弊所までお気軽にお問い合わせください。

この記事は最初に2019年3月12日に英語で公開されました


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