インドネシア|国際特許実務を包含した特許法改正

この記事は最初に2025年1月6日に英語で公開されました

インドネシアは国際特許実務との整合性を進める取り組みの一環として2024年10月28日に特許法を改正しました。

弊所の現在の理解によれば、明示的に指示されていない限り、2024年10月28日より前に提出された出願(10月28日より後に提出された分割出願を含む)は旧特許法の対象となります。2024年10月28日以降に提出された出願は改正特許法の対象となります。

いくつかの重要な変更点は以下の通りです。

コンピュータ実体化発明(CII)、モノのインターネット(IoT)および人工知能(AI)

CIIは既に旧特許法の下で特許性があると認められていたのですが、審査官による解釈に一貫性がなかったため、若干の不確定性が生じていました。これに対処するため、「発明」の定義をシステム、方法および使用を含むように拡張し、より明確な指針を提供して著作権により保護される従来のソフトウェアとCIIとの区別を図りました。この標準化は一貫した先端技術への法的保護を確固たるものとし、先端技術の技術的貢献の反映を高めることを目的とします。

医薬品発明

新しい特許法の下では、(1)既存の物質または組成物の新しい用途、および/または第2次以降の医療用途として特許可能な第一次医薬用途の新しい用途と、(2)既存の化合物の新しい形態と、を含むあらゆる発明には特許性があります。ただし、これら新しい用途と新しい形態とに新規性があり、かつ進歩性があることが条件となります。この第2次医療用途は、新しい疾患を治療する既知の薬物の使用、または新しい治療方法を用いて既知の疾患を治療する既知の薬物の使用に関連すべきです。新しい用量/投薬計画、新しい投与方法/頻度および新しい患者群を包含する既知の薬剤の新しい医薬用途を目的とするクレームは、「のために用いられる化合物(compound which is used for)」の文言を用いても許可されません。

ボーラー規定および並行輸入

新しい特許法の下でのボーラー(Bolar)規定は、特許を受けている医薬製品を第三者がインドネシア国家医薬品食品監督庁(BPOM)からの承認を求める目的で試験すること、使用することおよび製造することを特許保護が期限切れとなる前のいかなる時点においても可能にします。特許を受けている医薬製品のそのような試験、使用および製造プロセスは、販売承認だけを目的とし、営業活動を目的とするものではありません。

新特許法の下での並行輸入規定は、同国住民にとって価格が妥当であるように特許を受けた製薬製品の輸入を可能にします。

政府使用

政府は、国家の防衛および安全、または緊急な社会的ニーズおよび利益に関する場合には、高価でありおよび/または公衆保健上の非常事態である疾患を治療するために必要である医薬製品、保健装置および/またはバイオテクノロジーに関連する特許をインドネシアにおいて使用することが可能です。この政府使用は国内のニーズを満たすために限定され、非営利となります。政府が特許を実施することができない場合、その特許は政府承認を受けて特許所有者により実施されます。国務大臣は、1)インドネシア国内で特許権を得ているが、まだインドネシア国内で製造することができない医薬製品を、病気の治療のために輸入するため、および2)インドネシア国内で特許権を得て且つ製造された医薬製品を、発展途上国または後発開発途上国からの要請に基づき疾患の治療のために輸出するために、政府使用を執行することができます。政府使用は特許保有者が自らの専有権を行使する権利を毀損してはなりません。

特許審査変更点

新しい特許法の下では、出願人が12か月の期限までにパリ協定によるインドネシア出願を提出することができない場合、最も早い優先日から16か月以内に優先権の回復を請求することが可能となります。

インドネシアにおいて特許性評価のための公的開示の新規性喪失の例外規定の猶予期間が、6か月から12か月に延長されました。すなわち、出願人は、公的開示が規定の状況下においてなされた場合、開示の日付から12か月以内に出願を提出することができます。

インドネシアにおいて出願を提出するとき、発明者によって署名された発明者の宣誓の提出は不要となります。

発明が遺伝資源および/または伝統的な知識に関する場合、出願の時点で原産地の宣誓が提出されなければなりません。

また、取り下げ通知の日付から6か月以内に出願を回復できる機会が設けられました。

出願の早期公開も請求することができます。

再審査

知的財産総局(DGIP)が再審査を行う再審査を請求することができるようになりました。この再審査プロセスは、主に出願人がインドネシア出願の審査を続行する仕組みとして設けられています。シナリオ例が次のように提供されます。

許可通知または拒絶通知が発行された、または出願が取り下げられた場合

出願に対してDGIPにより拒絶通知が発行された、または出願が取り下げられた後に出願人は、出願の審査を続行するために再審査を請求することができます。再審査の請求は、拒絶通知の発行日または出願が取り下げられた日から9か月以内に提出されなければなりません。

さらに、出願人は、出願に対して許可通知が発行された後に、許可された/付与された明細書、クレームおよび/または図面を訂正するために再審査を請求することもできます。再審査の請求は許可通知の発行日から9か月以内に提出されなければなりません。

積極的な取り下げが請求された場合

積極的に出願を取り下げた後に出願人は積極的に取り下げた出願の審査を続行するために再審査を請求することができます。再審査の請求は出願が積極的に取り下げられたことを通知する庁通知の日付から2か月以内に提出されなければなりません。

特許付与の決定に対する異議申立 第三者は、許可通知決定に異議申立を望む場合に再審査を請求することができます。再審査の請求は許可通知の発行日から9か月以内に提出されなければなりません。

早期実体審査

出願の形式要件が満たされたら早期実体審査を行うことができます。この早期実体審査請求は出願が公開される前に提出されなければなりません。実体審査の結果は公開期間が終わった後に発行されます。

年次実施報告

新しい特許法では特許権者は「実施報告」を提出する必要があります。弊所の理解では、これは2025年1月1日をもってすべての特許(出願日および付与日に関係なく)に適用されます。「実施報告」を提出する期限は出願日の一周年の日です。

強制実施許諾

特定の状況下、たとえば特許権者が自身の特許を実施していない場合や特許が公共の利益を損なういかなる形で実施されている場合など、強制実施許諾が許可されることがあります。

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