03 February, 2015
Spruson

判例研究:WINTHROP PHARMACEUTICALS (MALAYSIA) SDN BHD V ASTRAZENECA UK LIMITED

判例研究:WINTHROP PHARMACEUTICALS (MALAYSIA) SDN BHD V ASTRAZENECA UK LIMITED

マレーシア高等裁判所はWinthrop Pharmaceuticals (Malaysia) Sdn Bhd v Astrazeneca UK Limited事件における判決を下しました。スプルーソン&ファーガソン(アジア)はこの事件でマレーシア特許番号MY-136382、題して「コレステロール低下薬の使用」に対する無効手続きおよび非侵害訴訟において原告の弁護士を補助しました。原告はサノフィー・グループの子会社です。

当該特許のクレームはスタチン系のコレステロール低下薬、ロスバスタチン(Rosuvastatin)の特定の経口投与剤形による高コレステロール血症の 治療に関するものです。特許が請求する発明は、優先日以前すでにその存在を知られていたロスバスタチンそのものではなく、ロスバスタチンの一日の投薬量を 5 mgから10 mgに変えるという選択に関するものでした。投薬量を変えることで、類似あるいは現用されているスタチン系の薬に比べて有益かつ著しく血中脂質を変え、その上安全性は既知のスタチン系の薬に比べて同等または優れているというものでした。

裁判所は当該特許は原告によって主張された次の点において完全に無効だと認めました:

  • 請求されている投薬計画の根拠が優先権出願にはないので、当該出願の優先日は認められない
  • 特許付与前の補正が当初の出願の開示範囲を拡大するものだった
  • 特許の中で申し立てられた発明には新規性がなかった
  • 特許の中で申し立てられた発明は解りきったことであり、進歩性がなかった
  • 特許の中で申し立てられた発明には創意および実態がなかった
  • 特許の中で申し立てられた発明は明細書にサポートがなかった
  • 特許の中で申し立てられた発明は明細書において、当業者が発明の実施をすることができるための十分な明確性および完全な記載がなされていなかった
  • 被告は特許の中で申し立てられた発明に対する権利を持たない

上記の裁判所の判決は英国やオーストラリアなどその他慣習法国の判例に基づいており、かつ一致しています。実際、Apotex Pty Ltd v Astra Zeneca AB (No. 4) [2013] FCA 162ではオーストラリア連邦裁判所もオーストラリアでの対応特許(オーストラリア特許番号769897)を同様の理由で無効としています。ヨーロッパ、米国そして中国における被告の対応特許あるいは出願の審査経過や結果(これらにおいても申し立てられた発明には新規性および進歩性、またはいずれか一方、がないとされた)なども上記の無効判決において関連性や説得力があるとされ、考慮されました。よって、マレーシアの裁判所の判決は他の主要国と一致する、根拠の十分なものだというのが私どもの見解です。

無効判決により、裁判所は侵害に対する被告側の反訴を却下し、原告に費用を裁定しました。


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